何もしたくない。燃え尽きたあなたが、もう一度息をするために

朝、目覚ましが鳴る。

でも、止めるのがやっと。

起き上がる気力が、どこにも見つからない。

「何もしたくない」

そう思う自分に、罪悪感を感じる。

やらなきゃいけないことは山ほどある。

でも、体が動かない。心が動かない。

頭の中は真っ白で、何も考えられない。

もしかして、あなたは今、燃え尽きてしまったのかもしれません。

「燃え尽き症候群」は、頑張りすぎた人がなるもの

燃え尽き症候群。

英語では「バーンアウト(Burnout)」と呼ばれています。

これは、決して怠けているわけでも、甘えているわけでもありません。

WHO(世界保健機関)も、2019年に正式に「職業現象」として認定しました。

燃え尽き症候群の3つの特徴

医学的には、以下の3つが揃うと燃え尽き症候群とされています。

  1. 情緒的消耗感 – 心のエネルギーが空っぽになった状態
  2. 脱人格化 – 人や仕事に対して冷めた感情になる
  3. 個人的達成感の低下 – 「自分は何もできない」と感じる

もし、これを読んで「全部当てはまる」と思ったなら。

あなたは、本当によく頑張ってきたんです。

なぜ、燃え尽きてしまったのか

燃え尽き症候群は、突然やってくるように見えます。

でも実際には、少しずつ、少しずつ、心が削られてきた結果です。

頑張ることが当たり前になっていた

「もう少し頑張れば」

「これが終われば休める」

「みんなもやってるから」

そうやって、自分の限界を無視してきませんでしたか。

休むことに罪悪感を感じて、休日も仕事のことを考えて、誰かに頼ることができなくて。

気づいたら、心のガソリンが空っぽになっていた。

日本の職場環境も、原因の一つ

厚生労働省の「労働安全衛生調査(2023年)」によると、仕事で強いストレスを感じている労働者は約53%。

2人に1人以上が、仕事で追い詰められています。

長時間労働、人手不足、成果主義、ハラスメント。

こうした環境の中で、「頑張らなきゃ」と自分を追い込んでしまうのは、ある意味当然のことです。

だから、あなたが悪いわけじゃない。

「何もしたくない」は、体からのSOS

「何もしたくない」

この感情を、責める必要はありません。

それは、あなたの体と心が、「もう限界だよ」と教えてくれているサインです。

無理やり動こうとしないでほしい

燃え尽きた状態で無理に動こうとすると、さらに悪化します。

うつ病や適応障害といった、より深刻な状態に進んでしまうこともあります。

今、あなたに必要なのは、「頑張る」ことじゃない。

「休む」ことです。

でも、きっとこう思いますよね。

「休んだって、何も変わらない」

「休む時間なんてない」

「休んだら、もっとダメになる気がする」

その気持ち、よく分かります。

だからこそ、少しずつ、少しずつでいいんです。

燃え尽きたときに、試してほしい5つのこと

ここから紹介するのは、「頑張るための方法」ではありません。

「もう一度、息をするための方法」です。

1. 一日だけ、予定を全部キャンセルする

「そんなことできない」

そう思うかもしれません。

でも、一日だけ。

仕事も、家事も、人付き合いも、全部やめてみてください。

布団の中で一日過ごしてもいい。

ただぼーっとテレビを見てもいい。

何もしない時間が、今のあなたには必要です。

2. 誰かに「助けて」と言う

燃え尽きる人の多くは、「自分で何とかしなきゃ」と思っています。

でも、今は頼っていいタイミングです。

家族、友人、上司、カウンセラー。

誰でもいいので、「今、しんどい」と伝えてみてください。

言葉にするだけで、少しだけ楽になります。

3. スマホを見ない時間をつくる

SNSを見ると、他人の充実した日常が目に入ります。

「みんな頑張ってるのに、自分だけ」

そう思って、さらに苦しくなる。

一日に1時間でいいので、スマホを見ない時間をつくってみてください。

窓の外を見る、音楽を聴く、ただ横になる。

それだけで、心が少し落ち着きます。

4. 「できなかったこと」ではなく「できたこと」を数える

燃え尽きた状態では、「できなかったこと」ばかりが目につきます。

でも、よく考えてみてください。

今日、あなたは起きました。

ご飯を食べました。

この記事を、ここまで読んでいます。

それだけで、十分すごいことです。

寝る前に、「今日できたこと」を一つだけメモしてみてください。

「起きた」でもいい。

「水を飲んだ」でもいい。

小さな「できた」を積み重ねることで、少しずつ自分を取り戻せます。

5. 病院に行くことを、選択肢に入れる

「病院に行くほどじゃない」

そう思うかもしれません。

でも、2週間以上「何もしたくない」状態が続いているなら、一度、心療内科や精神科を受診してみてください。

燃え尽き症候群は、適切な休養と、場合によっては薬物療法で回復できます。

早めに専門家に相談することで、回復も早くなります。

燃え尽きても、人生は終わらない

燃え尽きてしまうと、「もう自分は終わった」と感じます。

でも、それは違います。

燃え尽きから回復した人は、たくさんいる

ある30代の女性は、大手企業で働きながら燃え尽きました。

毎日終電で帰り、休日も仕事のメールをチェックして、気づいたら朝起きられなくなっていたそうです。

彼女は、3ヶ月間休職しました。

最初の1ヶ月は、何もできなかった。

でも、2ヶ月目から少しずつ散歩を始めて、3ヶ月目には「また働いてみようかな」と思えるようになった。

今は、別の会社で、自分のペースで働いています。

彼女が言っていたのは、「燃え尽きたことで、自分の限界が分かった。今は無理しない生き方を選べるようになった」という言葉でした。

燃え尽きは、「生き方を見直すチャンス」でもある

燃え尽きてしまったということは、今までの生き方が、あなたに合っていなかったのかもしれません。

  • 働きすぎていた
  • 人に合わせすぎていた
  • 自分を後回しにしすぎていた

今は辛いけれど、この経験を通して、「自分に優しい生き方」を見つけるチャンスでもあります。

「休むこと」は、悪いことじゃない

日本には、「休む=悪」という空気があります。

でも、それは間違っています。

海外では「休む権利」が守られている

ヨーロッパの多くの国では、年間4週間以上の有給休暇が法律で保障されています。

フランスでは、「つながらない権利」という法律があり、勤務時間外にメールを返さなくてもいいことになっています。

日本も、2019年に「働き方改革関連法」が施行され、年5日の有給取得が義務化されました。

でも、現実には、まだまだ「休みづらい」空気が残っています。

だからこそ、あなた自身が、自分に「休む許可」を出してあげてください。

休むことは、次に進むための準備

燃え尽きた心は、空っぽのコップのようなものです。

何も入っていないコップに、いくら水を注ごうとしても、こぼれてしまう。

まずは、コップを綺麗にして、水を受け止められる状態にする。

それが、「休む」ということです。

もし今、誰にも相談できないなら

燃え尽きたとき、一番辛いのは「誰にも分かってもらえない」ことかもしれません。

「甘えだ」

「みんな頑張ってる」

「気の持ちようだ」

そんな言葉を投げかけられて、さらに傷ついてしまう。

もし、周りに相談できる人がいないなら、以下のような窓口もあります。

相談できる窓口

こころの健康相談統一ダイヤル 電話:0570-064-556 受付時間:自治体によって異なる ※各都道府県の相談窓口に繋がります

厚生労働省 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」 https://kokoro.mhlw.go.jp/ メール相談、電話相談、SNS相談などが利用できます

よりそいホットライン 電話:0120-279-338 24時間対応・無料

匿名で相談できるので、安心して利用してください。

最後に

この記事を読んでくれて、ありがとうございます。

今、あなたはとても辛い状態だと思います。

「何もしたくない」

その気持ちは、決して甘えじゃない。

あなたが、今まで本当に頑張ってきた証拠です。

だから、もう頑張らなくていい。

休んでいい。

助けを求めていい。

泣いてもいい。

あなたは、十分頑張りました。

燃え尽きても、人生は終わりません。

ゆっくり、ゆっくりでいいから。

もう一度、息を吸ってみてください。

それだけで、今日は十分です。

まだ旅の途中だから。


※もし、「死にたい」と思うほど辛い場合は、すぐに以下に連絡してください。

  • いのちの電話:0570-783-556(24時間対応)
  • 救急電話相談:#7119
  • 救急車:119

あなたの命は、何よりも大切です。

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