
診断が好きな日本人
― なぜ私たちは「答え」を外に求めてしまうのか ―
「あなたは〇〇タイプです」
「今のあなたに必要な言葉」
「この質問に答えるだけで分かる本当の自分」
気づけば、診断コンテンツは私たちの身の回りに溢れています。
SNS、テレビ、雑誌、アプリ、ブログ。
少し時間が空くと、ついタップしてしまう。
なぜ日本人は、ここまで診断が好きなのでしょうか。
診断が流行る国、日本
海外にも性格診断や心理テストはあります。
しかし、日本ほど日常レベルに浸透している国は多くありません。
・血液型性格診断
・動物占い
・MBTI
・星座
・顔タイプ診断
・HSP、繊細さん
・向いてる仕事診断
・金運診断、恋愛診断
しかもこれらは「娯楽」で終わらず、
人間関係・進路・自己評価にまで影響を与えています。
ここには、日本人特有の心理構造が隠れています。
正解を外に求める文化
日本は「正解がある社会」です。
・空気を読む
・和を乱さない
・みんなと同じ
・間違えないことが大事
こうした環境で育つと、
「自分で決める」よりも
「正解を教えてほしい」という思考が強くなります。
診断は、とても都合がいい。
- 自分で決めなくていい
- 間違っても責任を取らなくていい
- 「そういうタイプだから」で説明できる
診断は、判断を外注できる仕組みなのです。
「自分を知りたい」と「自分が怖い」
多くの人はこう言います。
「自分を知りたいんです」
でも本音を深掘りすると、
「自分で自分を決めるのが怖い」という感情が見えてきます。
・この選択で合っているのか
・失敗したらどうしよう
・自分はダメな人間じゃないか
診断結果があると、少し安心できます。
「あなたは繊細な人です」
「あなたは真面目な努力家です」
それがたとえ一時的な言葉でも、
自分を肯定してもらえた感覚が残る。
だから、また次の診断を探してしまう。
診断は「麻酔」にも「地図」にもなる
診断そのものが悪いわけではありません。
問題は、
- それを麻酔として使うか
- それを地図として使うか
です。
麻酔として使うと、こうなります。
・行動しない理由にする
・変わらない自分を正当化する
・ラベルに縛られる
一方、地図として使う人はこう考えます。
・傾向は参考にする
・でも選ぶのは自分
・合わなければ修正する
同じ診断でも、使い方で未来は真逆になります。
日本人が本当に欲しいもの
診断が欲しいのではありません。
日本人が本当に欲しいのは、
- 「これでいい」と言ってもらえる感覚
- 自分を否定しなくていい理由
- 安心して前に進める材料
診断は、その代替手段にすぎない。
だから流行が終わると、
また次の診断、次の言葉、次の肩書きを探します。
診断の先にあるもの
もし今、あなたが診断に惹かれているなら、
一度だけ立ち止まって考えてみてください。
- この結果をどう使うのか
- 行動は変わるのか
- それとも安心したいだけなのか
診断は「答え」ではありません。
考えるための素材です。
素材を集めるだけで、料理をしなければ、
人生の味は変わらない。
まだ旅の途中だから
自分が何者かなんて、
最初から決まっている人はいません。
歩きながら、選びながら、
少しずつ形が見えてくる。
診断に頼りたくなる日があってもいい。
でも最後に決めるのは、いつも自分です。
まだ旅の途中。
答えは、進んだ先にしかありません。


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